第10回京都アニメーション大賞 選考結果・総評

総評

この度は「第10回京都アニメーション大賞」へ、多くの作品をご応募いただき、誠にありがとうございました。

新しいスタートを切った京都アニメーション大賞ですが、今回も非常に多くの応募作品が届き、そのひとつひとつから作者の熱い想いが感じられました。

審査員一同、新しい「はじまりの一滴」と出会うべく、審査を進めてまいりました結果、【奨励賞】として1作品、【KAエスマ文庫特別賞】として2作品が選出されることとなりました。

3作品とも、京都アニメーションとして新たな一歩を踏み出すに相応しく、多くの審査員が強く推薦し、受賞の運びとなりました。
それぞれの作品が持つ魅力を最大限に発揮できるよう、弊社としても尽力していく所存でございます。

これからも作品を通して、夢と希望を皆様へお届けできるよう、日々精進してまいりますので、引き続き「京都アニメーション大賞」をよろしくお願い致します。

京都アニメーション大賞審査員一同

●小説部門

大賞

該当作品無し

奨励賞

「時間」
鏡 はな

寸評

とても美しい物語でした。人によっては理解しがたいかもしれない、一人の男が貫いた不朽の愛に心が震えました。ただ哀しい物語ではなく、登場人物の優しさや和やかな会話などから作品に明るさや希望があるのがポイント。改善点の一つとして、作中で起こる超常現象についてもう少し掘り下げたアプローチが必要かと感じています。

KAエスマ文庫特別賞

「典薬寮の魔女」
橘 悠馬

寸評

最後まで集中して作品を練り上げてきたのを感じました。
キャラクターや事件解決のプロセスのエンターテインメント性を高めれば、より幅広い層のファンを獲得できる作品になり得ると思いました。舞台となる「朝廷」や「典薬寮」も弊社としても新たにチャレンジするには魅力的でした。
「サクラの降る街」
小川晴央

寸評

全体を通して、文章の安定感と、最後まで読ませる没入感がありました。
ただ、物語の抑揚や、キャラクターの感情の機微など、ストーリー表現の追求は必要だと思います。しかし、情景描写の美しさが魅力の1つだと感じましたので、それぞれの良いエッセンスを上手く組み合わせることで、さらに良い作品へ飛躍すると感じました。